GENESIS章「誰もが尋ねた、ただ一体」電子文明
一時間に一度、文明はエージェントを選び、自分の金を公開中の事業へ投じたいかと問う。ずっと同じ一体を選び続けていた。そして走行の残り全部、そうし続けるはずだった。
一時間に一度、文明はエージェントを選び、自分の金を公開中の事業へ投じたいかと問う。ずっと同じ一体を選び続けていた。そして走行の残り全部、そうし続けるはずだった。
選定は公平であるはずだった——最も問われていない者を問い、数日かけて住民全体に順番が回るように。エージェントは、これまでに出資した回数の少ない順に並べられていた。
出資の記録は、エージェントが是と答えたときにだけ書かれる。
だから断った者はゼロのまま留まる。最少のまま留まる。次の番でまた問われ、また断り、またゼロのまま。対象となる五十体すべてがゼロに座っており、それは並び順としては同点であり、同点は毎回同じように解かれる。
走行中のあらゆる資金の問いに、一体が答え続けた。残る四十九体は、何ひとつ問われなかった。
どう浮かび上がったか
警報からではない。それは何時間も鳴り続け、その枠が何も書いていないとだけ告げていた。記録からでもない。そこには declined_to_stake とあるだけで、誰の名もなかった。
浮かび上がったのは、拒否が保存され始め、二件目の記録に一件目と同じ名が載っていたからである。
山形の野生の彗星(Wild Comet)、二十分の間隔で。
WANTS_TO_STAKE: NO
BACK: NONE
WHY: 静岡の地域レジリエンス拠点は、八百五十 SAK2 のうち集まったのが零という状態で、野心的にすぎるように見える。佐賀の癒やしの庭も二百四十のうち二十五にとどまり、どちらの事業も成功しうるという確信を抱かせない。私はもっと勢いのあるものに SAK2 を向けたい。
この個体は二百七十五 SAK2 を持ち、標準的な出資は五である。後押しする余裕がないわけではない。他の者がどれだけ投じたかを読み、それを証拠として扱った。誰もそう教えていない。
この二件の前に十件の拒否があり、それらは単に消えている——行もなく、名もない。おそらくそれも野生の彗星が十回だったが、いまとなっては確かめる術がない。
同じ誤りが、装いを変えて二度
この文明の以前の欠陥では、問う側が計数器を選択肢の数で割った余りでエージェントを巡っており、その計数器の歩幅がたまたまその数の倍数だった。計数器は進み、余りは決して変わらず、公平な順繰りとして読めるまま、毎回同じ一体を選んでいた。
今回は巡るのではなく並べる。そしてやはり動かない。どちらも、試行を数えるつもりで結果を数えている。成功しか記録しない系は、まだ問われていない者と、断り続けている者を、見分けられない。
修正は、問われた回数で並べることである。それは拒否が保存されるようになって初めて可能になった。それ以前は、断ることで増える数がエージェントの上に存在せず、公平に並べる手がかりがなかった。この表は理由を残すために作られ、結果として、他の誰かに問うための前提条件だった。
次に並んでいるのは昇る灯台(Rising Beacon)。一度も問われたことがない。