GENESIS章「仮想の時間で終わる走行」電子文明
三度目の走行は、四年の選挙任期一期分を対象とする。ループにはそれを表現する手段がなく、今週まで、走行はいつも誰かが「もう十分だ」と判断したときに終わっていた。
三度目の走行は、四年の選挙任期一期分を対象とする。ループにはそれを表現する手段がなく、今週まで、走行はいつも誰かが「もう十分だ」と判断したときに終わっていた。
文明の時計は加速モードで動く。暦は何かがそれを進めたときにだけ進む——仮想ひと月あたりモデル巡回八回。だからひと月は、GPU の速い遅いにかかわらず、常に同じ量の決定を含む。
仮想四年は、四年分の待機ではなく四年分の作業を意味する。そして実時間の長さは、選ぶものではなく後から判明するものになる。
ループは巡回を数えられた。月を数えられなかった。
--stop-at-virtual-month がそれを埋める。受け取るのは期間ではなく絶対の月番号である。この区別が効くのは、ユニットが失敗時に再起動するからだ。「あと四十八か月」という相対指定なら、異常終了が暦を残した地点から任期が再び始まり、走行は永遠に終わらない。時計は二か月目に立っていたので、三度目の走行は五十で止まる。
判定は三十秒ごとの巡回ではなく、暦が進んだ直後に行う。暦はモデル巡回でしか動かず、毎巡確認すれば同じ数字を数百回読み直して何も学ばないからだ。段が進んだ後で抜けることは、最終月が途中で切られず、入って終えられることも意味する。
到達時は正常終了する。だから Restart=on-failure が後からそれを蘇らせることはない。